①レベル精度を決めるコンクリート均しの機械化
物流倉庫など大面積の床施工の場合、1日の打設仕上げが1,000㎡を超える場合も多く、要求性能がFL0を基準としたレベル精度を出し、それを全体面積で達成するためには均し作業の機械化、ロボティクス化が欠かせません。
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倉庫の土間コンクリート仕上げを科学するLCS工法
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物流倉庫のAGV化、ロボティクス化に伴い、特にレベル精度に対する施主様、元請様の要求品質は高まる中、大面積の施工におけるレベル精度の再現性がコンクリート床施工業者選びで最も重要な要因であると言っても過言ではありません。フロアエージェントのLCS工法はレベル精度、耐久性能、美観を科学し、物流倉庫のコンクリート床施工の再現を実現します。お見積り、施工要領書作成等、最短1営業日にて対応いたします。物流倉庫計画策定の際のご相談だけでもぜひ一度お問い合わせください。
倉庫のコンクリート床仕上げを計画する前に知っておきたいこと
ここではLCS工法をご紹介する前に、倉庫床の価値を決定づける「レベル精度」「締固め」「美観」の向上について解説いたします。
(1)打設均しと不陸修正による床レベル精度の達成
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▲機械化された均し
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▲従来工法の均し
一方、従来の均しは職人の技術に頼らざるを得ないため、規模の小さな打設均しであれば問題ありませんが、倉庫などの大面積の床であればあるほど職人の熟練度や技能の差によるレベル精度のばらつきが出てしまい、要求性能に応えることが困難です。
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▲騎乗式トロウェル円盤掛け
②全体面積のレベル精度を左右する騎乗式トロウェル円盤掛け
コンクリート均し時にレベル確認を繰り返すことで点としてのレベル精度を取った後、全体面積において設定されたレベル精度を達成するためには、さらに微細な不陸を取り除く必要があります。そのため、均しが終わり、網ゲタで乗れる頃合いに、騎乗式トロウェル円盤掛けを行うことで表面加圧をかけると同時に不陸修正を行います。
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▲不陸修正の様子
騎乗式トロウェルの自重(約340㎏以上)をかけながら、縦、横、斜めと円盤掛けを行うことで平坦平滑なコンクリート床下地を形成し、仕上げ工程に入ることが、レベル精度達成において重要だと考えます。
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▲従来の不陸修正
従来、円盤掛けはハンドトロウェルで行われていましたが、軽いハンドトロウェルでは機械自体が軽いため跳ねてしまい、十分な不陸修正が難しく、全体面積におけるレベル精度向上にはハンドトロウェルのみでは難しいのが現状です。
倉庫床に求められるレベル精度をつくるためのコンクリート床仕上げについてお気軽にフロアエージェントまでご連絡ください。
(2)再振動締め固めによるひび割れ抑制
耐久性能に不可欠な高密度コンクリートをいかにして構築するか、その上でひび割れ抑制をどの程度最小にとどめるかが倉庫床計画において重要事項となります。コンクリートのひび割れの要因は様々ですが、コンクリート床施工において締固め不足に起因するひび割れについては、均し後のブリーディング(水浮き)時点において再振動締固め機による再振動締固め作業を行い、コンクリート内部の水を抜き、水ミチ・空隙を除去することで、建物全体の床施工においてひび割れのリスクを最小限まで抑えます。
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▲ブリーディング時の再振動締固め
再振動締固め作業のタイミングは、コンクリート打設均し後のブリーディング(水浮き)時点に行うことが重要です。再振動締固めを行うと余剰水が表面に浮き出てきます。
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▲気泡が除去された様子
写真のように締固めによりコンクリート中の気泡や空隙が除去されることで、より密実なコンクリート下地を形成することにつながり、ひび割れ抑制や剥がれ、膨れの抑制につながり、倉庫の床づくりにおいて欠くことことができない作業です。
再振動締め固めによるひび割れ抑制、耐久性能向上についてはお気軽にフロアエージェントまでお問い合わせください。
(3)用途に合わせた仕上げ表面をつくる
倉庫の用途によりコンクリート床表面の仕上げ方法は異なります。メンテナンス性を重視する場合は、半鏡面仕上げにし、清掃が容易にできるように艶のある照明が映り込むシームレスな仕上げとします。一方、ロボット走行が行われる床に対しては、光沢床の場合は反射が起きてしまい、ロボット走行のためのチップの読み込みが正常に行われない可能性ががあるため、マットな仕上げとします。
▲メンテナンス性の高い光沢床
▲ロボット走行に適したマットな床
倉庫計画において表面仕上げにお困りでしたら、今すぐフロアエージェントにお電話ください。施工要領書の作成やお見積りも最短1日で対応いたします。
倉庫床の「レベル精度」「耐久性能」「美観」に特化したLCS工法
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LCS工法は倉庫床に特化したオール機械化による弊社特許工法で、その取り組みは2016年にはじまり、現在では多くの倉庫現場にて床の科学的な施工法として採用されています。特徴は全体面積に対しレベル精度の向上、ひび割れ抑制による耐久性能向上、用途に合わせた仕上げによる美観向上をオール機械化によって達成する施工法であることです。具体的に解説いたします。
- ①レーザースクリードによる自動均し
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- ②電動タンパーによる再振動締固め
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- ③騎乗式トロウェルによる不陸修正
(1)レベル精度を再現する自動床均し
JASSで定められたコンクリート床精度は、3m以内±7㎜以下とされていますが、物流倉庫の床精度は現在、3m以内±5㎜~3㎜以下の要求は珍しくありません。弊社はお客様の要求精度や打設環境に合わせて、コンクリート均し時に自動均し機械やロボットを用いることで床精度を実現します。下記使用機械は一部となりますが、モックアップ等で材料との相性を見極めていただくことも可能です。
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▲レーザースクリード
アメリカ製のガソリンエンジン駆動式レーザースクリードで、フロアエージェントでは2017年から実施工しており、今まで職人の手作業により左右されていた大面積の均し作業を機械化することで、自動水平を保ち全体面積のレベルのばらつきを抑え、レベル精度の再現を可能にします。さらに自動均し時にタンピングバイブレーションを備え、初期振動を与えることで密実なコンクリート床を形成します。
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▲トラススクリード
更にレベル精度要求が高い場合は、トラススクリード(ブリッツスクリード)と呼ばれる長物アルミ定規を、最大約20mを均し幅として同一方向に進行させることで床レベル精度の平坦性と安定性を向上させます。
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▲マスタースクリード
マスタースクリードはエンジン式で駆動が4WD、リモコン一つで操作可能な大型スクリードマシンです。一日の打設面積が大規模である場合でも、レベル精度を均一に保つことができ、遠隔操作で新動力とスピード調整が可能なため省力化にもつながります。
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▲EVリバイブロボ
さらにリモコン一つで再振動締固めや均しを行うことができる自社開発商品の無人自動均し再振動タンパー「リバイブロボ」は、従来工法のタンパーで行う再振動締固めに比べ、約3倍の加速度にて高周波振動が与えられるため、ひび割れ抑制につながる締固め効率が約3倍向上しました。
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▲EVリバイブスクリード
2024年弊社開発のバッテリー駆動式EVリバイブスクリードは、世界最軽量の均し機と言われたレーザースクリードの点荷重(109㎏)に比べて5点荷重することにより点荷重を47㎏と、スリム化を実現し、どのようなデッキにも対応可能としました。また、レーザーレベル機能においては従来の測定誤差を50mで0.6mmまで改善することに成功し、今まで以上に床精度向上を期待できるものとなりました。
お客様の要求品質により使用機械やコンクリート床仕上げ方法などご提案いたします。お気軽にお問合せください。
(2)騎乗式トロウェル円盤掛けによる不陸修正
現場調査等で目にするのが、一見して表面が波打ってしまっている倉庫床です。倉庫は素地仕上げのため、機械やロボット等で全体的なレベル合わせを行うだけでは、計測点ごとにレベルがとれていても面で見たときに微細な不陸が発生しているため、レベル精度の再現性を追求するには騎乗式トロウェルによる円盤掛け作業が必須だと考え、LCS工法では全ての床施工でご提案しています。
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▲騎乗式トロウェル円盤掛け
コンクリート均し後に行われる騎乗式トロウェル円盤掛けは、倉庫床の平坦性、平滑性において最も重要な作業工程と言っても過言ではありません。
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▲微細な不陸が残ったまま仕上がった床
騎乗式トロウェル円盤掛けを行わず、ハンドトロウェルのみで不陸修正を行った場合、微細な不陸が残った状態で仕上がっています。倉庫床の要求精度は年々向上しており、円盤掛けの時点で平滑な下地を形成した後、仕上げへと移行しています。
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▲回転数や速度のデジタル化
現在では騎乗式トロウェルも円盤の回転数や速度調整がデジタル化され、現場の施工環境や温度、湿度、材料の状態に合わせた半オートメーション化された施工が可能となり、床施工の再現性の確立の一因となっています。
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▲一見して不陸のない床
以前は騎乗式トロウェルが表面剥離の原因ではないかとの声もありましたが、平坦平滑な床を形成するにあたり、騎乗式トロウェル円盤掛けは必須であり、LCS工法においては必ず採用しています。剥離現象はコンクリートの材質や配合または施工環境に大きく影響されるので、材料や施工環境の改善を図るとともに施工前のモックアップを作成し施工を行えばリスクは低減されると考えています。
試験施工のご提案や、打設計画に関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。現地調査、施工要領書作成、お見積りなど最短1日で対応いたします。
(3)ひび割れ抑制を目的とした段階的な締固め
コンクリートのひび割れの要因は様々ですが、コンクリート床施工において締固め不足に起因するひび割れについては段階的な締固め作業が不可欠だと考えています。LCS工法では打設時の棒突き振動機によるバイブレーション、均し機械およびロボットによる初期振動、さらに均し後のブリーディング(水浮き)時点において再振動締固め機による再振動締固めの、合計3回にわたり締固め作業を行い、コンクリート内部の水を抜き、水ミチ・空隙を除去することで、打設ごとではなく建物全体の床施工においてひび割れのリスクを最小限まで抑えます。
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▲棒突き振動機による締固め
①棒突き振動機による締固め
ポンプ筒先より供給される材料に対し棒突き振動機をコンクリートに挿入し振動を与え、コンクリート内部の空隙を除去し締固めを行います。この時、コンクリート面に対し垂直に挿入し、挿入間隔は60cm以下とし、加振の目安はコンクリートの表面にセメントペーストが浮くまでとされています。これを1回目の締固めとします。
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▲均し時の初期振動
②レーザースクリードによる初期振動均し
さらにLCS工法で用いる均し機械、ロボットのブレード部には振動機能(バイブレーション)が備わっており、タンピングを行いながら自動均しを行うため、すべての床面に均ーに振動が加わり、不要な気泡や空隙を除去し、仕上げ前の強固な床コンクリート下地を形成します。これが2回目の締固めです。
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▲ブリーディング時の再振動締固め
③再振動締め固めによる再振動締固め
コンクリート均し終了後、ブリーディング(水浮き)時に再振動締固め機械を用いて再振動を加え、コンクリート中の気泡や空隙を除去します。これが3回目の締固めです。
締固めによりコンクリート中の気泡や空隙が除去することで、写真のような初期ひび割れの抑制、剥がれ、膨れの抑制につながります。
▲気泡が除去された様子
▲締固めが十分されておらず発生する初期クラック
段階的な締固めによるひび割れ抑制効果に関する詳細につきましては、今すぐフロアエージェントまでお問い合わせください。
(4)仕上げ時の美観形成
コンクリート床施工時の仕上げ方法は物流倉庫の用途およびお客様の要求品質によって異なります。大きく分けると光沢、非光沢、さらに防滑効果のあるざらついた仕上げなど多岐にわたる仕上げをご提案いたします。
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▲ロボティクス化対応床
弊社にご依頼いただく倉庫計画においては、AGV走行や、ロボットが自動運転する倉庫床が多く、走行のためのチップが埋め込まれます。正常な稼働のためにコンクリート床はフレスノなどの金ゴテで仕上げるマットな質感の仕上げが採用されています。
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▲つやのある光沢仕上げ床
倉庫でも、一見して平滑で艶ある光沢を求める場合は機械押さえを行った後、モスキートトロウェルにて鏡面になるまで磨き、仕上げます。事前のモックアップ施工にて床表面の高度を設定することで、光沢計を用い全面積において再現性のあるつや出しが可能です。
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▲円盤仕上げによる滑らない床
コンクリート表面の平坦平滑な下地形成をLCS工法にて行った後、さらに仕上げで騎乗式円盤掛けを行う仕上げ方法があります。ざらついた粗面に仕上げることにより防滑性が高くなるため、倉庫の車路やスロープ、駐車場など、一部のノンスリップ効果が求められる箇所にご提案いたします。
LCS工法における仕上げ方法はお客様のご要望を伺いご提案いたします。コンクリート床打設計画をお考えでしたらぜひ一度フロアエージェントまでお問合せください。コンクリート養生や表面強化材工事など一貫施工もお任せください。最短1営業日でお見積りもお出しいたします。