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なぜかテナントがきまる物流倉庫のコンクリート床とは【ロボット施工】
貸主様と借主様で異なるコンクリート床への要求
弊社も多種多様な物流倉庫のコンクリート床工事に携わっている中で、コンクリート床における貸主様の要求と、借主様の要望に明らかな違いが出ています。
今後の工場・倉庫は昔の倉庫のようにただ物を置くだけの機能を持っているだけでは、もう貸せなくなっているのが現状です。
借主様のご要望を備えた機能床は、様々な用途の物流倉庫床を施工してきたフロアエージェントにお任せください。
このままだと物流倉庫は貸せなくなる?
コンクリート床の新常識!
「それは床の使い方が大幅に変わったから」
昨今では、借主様の用途に適した「機能」を備えた床を計画している物流倉庫は、着工を待たずに次々とテナント契約で満室となっています。その理由は、時代に合ったニーズに合致した床の仕様が決め手となっているからです。それは借主様の要求品質に近づけた床の仕上がりを、はじめから計画していることにあります。
借主様の要求品質に近づけた床の仕上がり例
- ▲美観に優れた光沢床
- ▲AGV走行用の非光沢床
左側写真の光沢床は、一見して整然でクリーンな印象を与えます。
左側写真の非光沢床は、照明が反射するような光沢はありませんが、実は自動ロボット倉庫(AGV等)導入を検討されている借主様にとって望ましい床となります。
▲自動搬送車対応床(イメージ)
その理由は、床に光沢が過度につくと床表面の光沢が反射し、ロボットのセンサーを狂わせる可能性があるからです。
まだ決まっていないテナントには
どのように倉庫床を計画したらいいの?
計画段階から絶対に必要不可欠な床の仕様は、以下の3つです。
①床レベルの平坦性、平滑性を構築する
②床のひび割れを限りなく抑制し、耐久性能を上げる
③床の美観をつくる
以上の3つが、テナントが決まっていなくても必ずやっておかなくてはいけない床の仕様になります。古い倉庫の場合は上記3点を参考にリニューアルを検討されたほうがよいと考えられます。
当たり前のことかもしれませんが、今後、倉庫は自動フォークリフトや、AGVなど、倉庫の自動化が主流になる時代に、床が凹凸やひび割れになっている倉庫は借り手がつくのでしょうか?特に自動化の倉庫は床レベルが±5㎜程度の精度が求められてるため、借主はそこを最も重要視しているのです。そのため、一見して床レベルの凹凸や、ひび割れなどが多いと、大きなマイナスポイントと言わざるを得ません。
倉庫床を計画する前に下記の3点を決定する
▲不陸の一例
①床レベルの平坦性、平滑性
②床のひび割れを抑制する
③床の美観をつくる
をどのように作るかを見ていきましょう。
右写真のように、コンクリート床に不陸ができてしまった場合、正しくセンサーが読み込まれず、ロボット走行への妨げになることはもちろん、ロボット自体の耐用年数にも影響を与えます。
他にも、フォークリフト走行におけるつまづきが発生し、年間を通すと大幅な時間ロスに繋がってしまったり、従業員の安全性確保ができなくなってしまうケースもあり、倉庫で働く人々や重車両の往来、ロボット走行などに多大な影響を与えてしまうのです。
①床レベルの平坦性、平滑性を構築する
実は日本のコンクリート床施工は、平坦性、平滑性をつくるために最も重要な不陸調整が行われていません。不陸調整とは、騎乗式トロウェルと呼ばれる重量のある機械を用いて、コンクリートの表面がまだ乾ききらないうちに、加圧をかけながら不陸を修正する作業のことを言い、平坦性、平滑性を作るうえでは、最も重要な作業工程となります。
そのため倉庫を建築する際には、床の工事においてどのように不陸調整するかの確認を事前にとる必要があり、この工程が入っていないのであれば、指摘されたほうがよいと考えています。
▲機械で荷重をかけながら平坦にしていく
※写真右は、騎乗式トロウェルで不陸を修正し、平坦、平滑を作る作業
コンクリート仕上げを行う際、フロアエージェントでは総重量350kgの重さのある搭乗式機械(騎乗式トロウェル)にて円盤掛けを行います。完全に固まる前のコンクリート表面に加圧をかけながら3~5回、縦、横、斜めに重たい機械を走らせ、円盤掛けを行うため、平坦性、平滑性を向上させます。
▲機械の違いで床の平坦性に大きな影響が出る
右の写真は、実際の施工で行った騎乗式トロウェルとハンドトロウェルの違いになります。
斑点模様の多い図の上部がハンドトロウェルにて円盤掛けを行った箇所で、図下部は騎乗式トロウェルの加圧で不陸調整をした箇所です。
明らかに図下部の方が平坦性、平滑性が確認できます。
②床のひび割れを限りなく抑制し、耐久性能をあげる
初期振動均し(レーザースクリード)
▲レーザーでレベルを取りながら初期振動均しを行う
床の決め手はズバリ、コンクリート均しです。
倉庫は基本的に大面積のコンクリート打設を行うため、職人の熟練工の良し悪しでレベル精度が決まると言われています。それをレーザースクリードという自動均し機を用いて、コンクリート均しを行うことで、同じレベルで均一化された床均しが形成されます。
大面積のコンクリート床においても、バラつきがない床の精度を作るうえで最も重要な工程と言えます。
再振動締固め(リバイブロボ)
▲リバイブロボにて再振動締固めを行う
ひび割れを抑制する重要工程は、「再振動締固めが行われているか?」を確認する必要があります。
一度締め固めたコンクリートはブリーディングと言われる、コンクリート中の水が上昇し、上昇した水ミチが空洞になり、ひび割れを発生させます。それらを除去するために、コンクリートがフレッシュな状態で締め固めた後に、もう一度振動を与える必要があるのです。
この工程があるかないかでひび割れに大きな影響を及ぼすといっても過言ではありません。
計画段階で以上の工程を確認する必要があります。
下記の2枚の写真は、白く見えるコンクリート床と、グレーの光沢のある床に見えますが、いずれの写真もいかようにも作ることは計画段階であれば容易に行うことができるのです。
下記の2枚の画像は同じようなレーザースクリードや騎乗式トロウェルを使用した、同じ施工法で行っているものになります。もし現在計画段階で床の仕様でお困りでしたら、一度弊社までご相談ください。
- ▲白く見えるコンクリート床
- ▲グレーの光沢のある床
ケース①AGV走行用マット仕上げの作り方
借主様が物流倉庫の自動化の一環として、フォークリフトやロボットの自動走行床をご希望の場合、ロボットが走る際に必要なセンサーが床の反射により誤作動を起こさないよう、光沢度を下げたマットな床仕様に仕上げるのがAGV走行対応床です。
- ▲AGV走行対応床(イメージ図)
- ▲反射の少ないマットな床
ケース②ノンスリップ床(粗面仕上げ)
▲反射の少ないマットな床
トラックバースやフォークリフトなど重車両が往来する物流倉庫においてニーズが高まっているコンクリート床仕上げです。レベル精度を取った後、360kgの加圧をかけながら平坦に均すと同時に、表面は粗面に仕上げます。
鏡面仕上げにした後や、借主様に引き渡した後に、ノンスリップ床にする「ショットブラスト工法」もありますが、こちらも二重の手間になりコストも余計にかかるため、事前に計画に入れることがおすすめです。
- ▲粗面な仕上がりでタイヤの横滑りを防ぐ
- ▲ノンスリップ床にするための機械を使用
ケース③光沢床(鏡面仕上げ)
▲照明が映り込む光沢床
ショールームなど、美観を優先にして仕上げられたのが鏡面仕上げ床です。
鏡のように光沢度が高く、クリーンで平滑、整然とした床であることが一目で分かります。
- ▲まるで磨いたような仕上がり
- ▲光沢床にするための機械を使用
テナントが決まっていない場合は非光沢床をご提案
▲ニーズの高まる非光沢(マット)な仕上げの床
国を挙げてのDX化(デジタルトランスフォーメーション)が言われて久しいですが、その波は工場DX化、物流DX化、運送会社DX化など、工場倉庫業界でも更に加速すると予想され、借主様が求めるコンクリート床の機能にも大きく影響を与えています。
今後、倉庫のDX化を象徴するAGV(自動搬送車)走行が、工場倉庫のコンクリート床に標準装備として求められるため、借主様がこれからお決まりになる場合の床仕様は、非光沢床(マット仕上げ)を弊社ではご提案します。
まずは貸主様のご意向を伺い、例えばAGV対応床にしたいが、光沢もつけて美観にもこだわった床仕上げが必要な場合は、弊社では誤作動を起こさない程度の光沢床に仕上げることも可能です。
現場調査をさせていただき、ご要望を細かく伺い、最適なご提案をさせていただきます。倉庫をご計画の際は、ぜひフロアエージェントにお問い合わせください。
③床の美観をつくる
床の美観をつくる上で最も重要なのは、美観を維持することです。
一日二日きれいな床でも、数日経って汚くなるのであればメンテナンスコストが高くつくと言えます。
右図はくすんだ床になります。これでは借り手がなかなかつきにくくなる、と言っても過言ではありません。
右図は数年たった床で美観が保たれています。
新築時や竣工後においても、美観を保つ工程は浸透性表面強化剤と言われる透明な材料を使用して美観を半永久的に保つ上で、最も重要な施工となります。
▲強化剤塗布
▲バフ洗浄
▲ポリッシュ洗浄
このような形で美観はつくれます。
新築時であれば容易に、表面強化剤とバフ洗浄のみで光沢を付けたり、非光沢に仕上げることが可能です。
今の倉庫の状態がわかれば、それに合わせた美観づくりをご提案しますので、倉庫の美観でお困りであればフロアエージェントまでお問合せください。
古い倉庫を所有の方へ 大改修、大型リニューアルも
フロアエージェントにお任せください!
次の借主様をお探しの間に、現在の倉庫床をリニューアルすることもおすすめです。
今まで床のリニューアルと言えば、長年使用されている間に劣化してしまった床を斫ったり、壊したりしたあとに新たにコンクリート床をつくるなど、大型改修で時間やコストが大幅にかかっていました。
しかし現状ある床を活かしながら、美観を向上させ、耐久性も向上し、その効果を長持ちさせるリニューアル方法があります。
①平坦平滑な床ならセルフレベリング工事
▲セルフレベリング工事
弊社では、素地で使える高耐久床専用のレベラー材を使うため、改修工事でもレベル精度の向上はもちろん、AGV走行床に必要な耐久性および平坦平滑性をもたせることが可能です。
②滑らないノンスリップ床ならショットブラスト施工
▲ノンスリップ床
フォークリフト往来や重車両専用車路が滑ってしまう場合は、現在のコンクリート床表面を目粗しするショットブラスト施工がおすすめです。コンクリート床本体を傷つけず、滑り止め効果を高めることが可能です。
物流倉庫床のリニューアルもフロアエージェントにお任せください。